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探偵への道14~刑事訴訟法3

今回は現行犯逮捕についてお話しましょう。探偵の業務について現行犯逮捕がどのように関係してくるのかをまず説明しましょう。3月24日ブログの中で調査対象者の写真撮影で相手ともみ合いとなりカメラを壊された事例を紹介しました。これから説明すると分かりやすいと思います。このようなときどうすべきか、考えてみましょう。まず調査対象者に対する写真撮影という行為はどのような法的な性質を持つかを説明します。探偵からすると業務行為といえます。調査対象者からするとプライバシー侵害行為となります。次に犯罪行為に該当するか、どうかということです。公の場所で張り込みして調査対象者が出てきたところを写真撮影する行為を処罰する法律はないので犯罪にはなりません。そうなると問題になるのが憲法の保障する人権を侵害しているところです。しかし直ちに写真撮影のみで法的な権利・義務が発生するわけではありません。調査対象者が、もしきっちりと責任を追及する場合は裁判所へ申し立てて民事上の損害賠償という形で進めなければなりません。その手続きを通り越して実行行使で探偵に制裁として暴行を加えれば、調査対象者が暴行罪、怪我をさせれば傷害罪、物を壊せば器物損壊罪となります。このようなときあまり知られてはいませんが、犯罪を犯した現行犯人は警察に限らず誰でも犯人を逮捕できるのです。もちろん数人で協力しても大丈夫です。ただしあくまで犯人が逃げてしまわないように逮捕するということです。逮捕されて無抵抗な犯人に対して、感情的に暴行することはいけません。刑事訴訟法は一般人に対しても現行犯逮捕だけはその権限を認めているのです。ただしそこまでですので、以降の手続きは直ちに警察に引き継がなければなりません。犯罪者だからとそのまま取調をしたり、所持品検査をすると今度はまた反対に逮捕罪や監禁罪などが成立します。したがってこの部分をよく理解していないと適切な現場対応ができないのです。話は戻りますが、探偵が現場でカメラを壊された場合、方法としてはまずは警察へ通報することです。次に相手が逃げようとしたら逮捕することも理論上は可能です。ただし現行犯逮捕の時間的制限は判例上20~30分です。壊されてからこれ以上の時間が過ぎているときはもう現行犯逮捕できません。そしてカメラを弁償してもらうことです。あと警察に対して被害届を出すことを検討することになります。相手が反省して素直に修理代を支払えば出す必要もないでしょう。このあたりの駆け引きはまさに法律をよく知っていないとできないのです。だいたい現行犯逮捕のことも分かっていただけたと思います。刑事訴訟法についてはこれで終わりです。商法については専門性が高くもし適用する場合は、法律事務所などが主導で進めて行きます。特に探偵が知っていなくても差し支えないのでここでは省略します。次回は軽犯罪法についてお話します。

赤座警部の全国探偵紹介ネット 代表 赤座孝明

現行犯逮捕