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探偵への道13~刑事訴訟法2

今回は告訴と告発についてお話しましょう。まず告訴の定義としては、犯罪の被害者又はその他告訴権者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。順番に説明していきましょう。まず告訴は被害者などの告訴権者しかできません。また被害者は告訴を取り下げることもできます。警察に対する被害届と告訴の違いは、被害届は警察に対して犯罪被害を通報するものであり、以降の捜査は警察の任意の判断により進めて犯人が判明すれば逮捕や検察庁への送致となります。しかし犯人が判明しなければそれ以上先はありません。では告訴はどうでしょうか。警察としては告訴を正式に受理すると犯罪があろうと、なかろうと、犯人が判明しようと、しまいとに関わらず事件を一定の範囲で捜査してその結果を明らかにして必ず検察庁への送致しなければならないという法的な義務が発生するのです。つまり被害届は警察の判断で事件を送致する、しないを決めることができるのですが告訴は必ず送致しなければならないのです。ですから警察としては被害届はいくらでも受理しますが、告訴は簡単には受理しません。一定の要件を充たせばもちろん受理を拒むことはできませんが、いずれにしても慎重に受理します。被害者の届出としては被害届より告訴の方が法的に重みがあるのです。では告発とはどのようなものなのか。刑事訴訟法上では告訴とその効果は変わりません。告訴・告発は警察が受理すると「全件送致主義」に基づきすべて検察庁に送致します。告訴は被害者が行うことに対して、告発は第三者が行うものです。違いは申告の主体が被害者ならば告訴、第三者ならば告発となるのです。その後の手続き等はほぼ同じです。なにが言いたいかというと、法律に詳しい者ならば、自分が、又は自分側の関係者が告訴、告発されることを嫌がります。このような背景を知っていれば、それぞれの法的な性質を盾に取り交渉を優位に進めることができるのです。ただしあまりにもそれを前面に出して交渉すると反対に恐喝罪で訴えられる事態が起こることもあるので気をつけましょう。例えば「話を円満に解決したければ○○○万円必要です、それが払えなければ○○罪で告訴しますよ。」など法律ギリギリですね。いずれにしても法律を知っている者が一番強いということです。探偵もしっかり仕事するためにも日々法律を勉強しましょう。今回はここまでです。次回は現行犯逮捕についてお話ししましょう。

赤座警部の全国探偵紹介ネット 代表 赤座孝明

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