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探偵への道7~刑法その3

良い天気で爽やかな朝ですね。今週も皆さんにとって充実した一週間になるようにお仕事がんばりましょう。

前回は刑法「住居侵入罪」のことをお話しましたが、今日は「窃盗罪」についてお話しましょう。実はこの犯罪も探偵をやっていると知らず知らずのうちに犯している可能性がある犯罪なのです。窃盗罪という犯罪についてご説明します。簡単に言うと「人の物を盗む」罪です。要は泥棒ですね。事例を挙げて説明しましょう。探偵が情報を取るときの方法はいろいろなケースが考えられます。人から聞く、ネットで調べる、書類を書き写す、コピーする、メールで送る、USBに保存するなどですが、いま列挙した行為で前の2つはほぼ問題ないですが、実は後半4つは窃盗罪が成立する場合があるのです。書類を書き写す、コピーも一緒ですがこれを一時的に持ち出す、書き写す、コピーする、また元の場所に戻しておく、移動範囲にもよりますが基本的に窃盗罪が成立します。しかも未遂ではなく既遂です。どこの時点で窃盗罪が成立するのか考えてみましょう。持ち出す場所をある会社事務所としましょう。①書類を手に持ったとき、②書類を鞄に入れたとき、③事務所から出たとき、④写す・コピーしたとき、⑤書類を元に戻したとき。さあ皆さん窃盗罪の既遂時期は①から⑤のうち何番か分かりますか。正解は②です。そうです、事務所内で書類を鞄に入れたときすでに窃盗罪が成立しているのです。後の行為はもう関係ありません。書類を戻しても窃盗罪が一旦成立すればもう取り消されることはないのです。このようなケースはたくさんありますよ。車の中の物も同じです。車の中から書類を持ち出しコピーすると、後で戻しても窃盗罪が成立します。メールの場合を考えてみましょうか、会社の社員であっても会社の情報を無断でメールにより外部へ送信すると窃盗罪、業務妨害罪になります。USBメモリの場合も勝手にパソコンの情報を保存すればやはり窃盗罪になります。もうお分かりかと思いますが、探偵はそのような機会が多い仕事です。窃盗罪のことも十分に理解しないで仕事を続けたら、いつか御用となるでしょう。いいですか、犯罪を犯してはいけませんよ。今は職業倫理として法令遵守が最も大切です。コンプライアンス意識、法令を守ってこそ立派な職業人の入り口なんです。探偵も同じです。法令を守ってこそ「信頼される探偵」の第一歩でしょう。今日はここまでですね。

赤座警部の全国探偵紹介ネット 代表 赤座孝明

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