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探偵への道3

前回に続き「探偵の心構え」についてお話しましょう。「誠実、忍耐、節度」のうち今日は節度についてですね。節度の意味は「行き過ぎのない適当な程度、ほどあい。」です。これの要素は「信頼される探偵」には絶対不可欠です。この節度により適正で安全な業務活動が成り立つのです。もう少し具体的にお話しましょう。例えば浮気調査の現場写真の撮影を想定しましょうか。依頼者からすればできる限り鮮明な動かぬ証拠がほしいことは当然です。誰が見ても納得できるような証拠写真、でも現実はそんなに簡単に鮮明な写真を撮ることができません。「ホテルから出てきた瞬間」これが最高の絵となるわけですが、時間的には多くて数秒でしょう。条件が悪ければ1~2秒、一瞬なんていうこともあります。二人がもうホテル入り口から離れ、道路を歩く後ろ姿の写真となると一気に証拠価値は下がります。なんとでも言い訳できますから、「たまたま道を聞かれて案内しているところ」「仕事帰りに仕事の話をしているところ」などホテルから離れてしまうと意味がないのです。裁判所も「疑わしきは罰せず」として認めません。まさに何時間も、何週間も、場合によっては何ヶ月も待ってたったもこれだけの瞬間で証拠を押さえなければなりません。ですから探偵としてはなるべく接近して写真に納めたいわけです。言うまでもありませんが、ベストは相手に全く気づかれずきれいな証拠写真を撮影するです。しかし近くなればなるほど、トラブルへのリスクは大きくなります。写真を撮った瞬間にシャッター音で気づかれ、動きで気づかれ、気配で気づかれなど、撮られた方も死活問題です。その場で「なぜ撮った、写真を出せ、訴えるぞ、カメラをよこせ」と押し問答やつかみ合いに、もっとエキサイトするとカメラを奪い取られ、地面にたたきつけられ、「いい加減にしろ、バカ」と罵られ、会社に戻れば上司から「ホント役に立たないねー、カメラの修理代、給料から差し引いておくから」と。もう泣きっ面に蜂状態、もし警察に被害届を出しに行けば「お宅ら、どんなやり方で仕事やってんの。」と逆に説教と数日後警察による事務所の立ち入り調査を受けることに。従いましてやむなく泣き寝入りという最悪の結末。少し話が逸れましたが、つまり必要以上に成果を求めすぎて限度を超えてはいけませんということです。写真も多少離れていても裁判所で「んー、少しぼやけていますが、まあ間違えないでしょう。」という裁判官の心証が得られればOKです。その部分のバランス感覚は経験を積んで養うしかないでしょうね。行き過ぎのない適当な程度、ほどあい、ホント節度はとても重要です。今回で「探偵の心構え」のお話は終わりです。次回から「探偵の学ぶべきこと」についてお話しましょう。ではまた。

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赤座警部の全国探偵紹介ネット 代表 赤座孝明

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